コラム

NBCラジオ経済コラム(11月2日放送)「世界遺産構成資産「出津集落・大野集落」の本当の魅力に触れる」

2018年10月30日

10月13日、世界遺産「長崎・天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「外海の出津集落」・「外海の大野集落」を15年ぶりにゆっくりと訪問しました。今回、二つの集落を訪ねてみて、「潜伏キリシタン」のひっそりとした息遣いを残しつつ、環境を壊すことなく信仰の形を伝えていると感じました。何よりも強く感じたのは、ドロ神父が指導した「食の開発・産業化」です。急峻な山肌を開墾して、小さな畑に小麦や野菜や果物等を植えて、パスタやパンを作りました。そして今、食事を数量限定で観光客に提供しています。

 出津の食プロジェクトを引っ張ってきた、日宇さんにも14年ぶりに、旧救助院の上にあるレストラン「ヴォスロール」でお会いしました。フランスのヴォスロール村は、長崎市と姉妹都市提携をしています。世界遺産に登録されてから、飛躍的に観光客が増えていて、私が訪れた当日、ランチの予約が50人、11月には修学旅行生が多数宿泊するとお聞きしました。

 私は、出津集落・大野集落を訪れて、「世界遺産の本当の魅力」とは何かを考えさせられました。最大の魅力は、「本物に触れる価値」です。教会堂は教会だけで存在するものではありません。所在する土地・信者・自然等によって形成されるものであると思います。教会堂は確かに重要ですが、「信仰の形」こそが重要だと感じました。

 次に、「魅力」を形にする手段が必要になりますが、「衣食住」が基本となります。その土地ならではの風土を表現するものとして、「食」や「人の温かさ」や「助け合い」が無ければ食を観光に活かすこともできなかったでしょう。地域振興とは、「優しい心が活かす知恵」ではないかと思いました。

  • 【日時】
  • 2018年10月30日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ


「世界遺産構成資産「出津集落・大野集落」の本当の魅力に触れる」

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