Nagasaki Institute for Public Policy




























長崎をコンベンションシティに(長崎新聞「うず潮」2010.9月号より)

ながさき地域政策研究所 常務理事・調査研究部長 菊森 淳文





 長崎は江戸時代から国内外の交流によって発展してきた都市です。長崎市のコンベンション年間開催件数は平成10年以降、約1,000件で推移しています。ここで、コンベンションとは、「人が非日常的に、モノ・情報・文化などの共通目的を持って一定の場所に集合する催し」と定義されており、対象範囲も広いため、経済効果(=経済波及効果+建設効果+運営効果)が一般的な観光よりも大きいので注目されています。現状長崎市では、300人未満規模が75%と、大規模コンベンションが少なく、また県内大会が61%で、全国大会が16%にとどまっています。私は、長崎市を交流文化都市として再構築し、新たな発展の起爆力を高めるためにも、コンベンションを軸とすることが不可欠であると考えています。しかも、国内人口が減少する中で、飛躍的増加が期待できる国際観光客を誘致する手段として、国際コンベンションにも段階的に注力することが必要であると思います。そのためには次の四点に早々に着手することが条件となります。
第一に、コンベンション戦略の構築です。長崎が元々有する資源のみならず新しい魅力創出により、コンベンションを誘致できる街にするという戦略が必要です。過去の輝かしい歴史だけでは将来に向かってコンベンションを誘致することは出来ません。医学・福祉・環境技術・平和の次世代への継承など、常に新しいテーマを長崎が求めて発展することが、全国や世界から注目される条件となります。そしてこのような発想の転換に立脚した新たな戦略を構築し、実行することです。
第二に、誘致体制の整備です。地域の受け入れ組織のワンストップ化を図るためにも、県・観光連盟・市・長崎国際コンベンション協会の方針の統一と協力体制が必要になります。また、国際コンベンションについては、ビッドペーパーを作成できるような誘致準備チームの整備も必要であると思います。
第三に、市内施設の整備です。より大規模な内外コンベンションに対応できる多機能型ホール(駅前再開発等)や駐車場、ホテル等の施設整備が必要です。特に国際コンベンションに対応できるようなホテルへの転換を図っていくことも重要だと思います。
第四に、情報発信です。今後は、長崎市の紹介や、誘致体制、施設、助成金等支援策等の情報を海外に向けても発信していくことが必要となります。










菊森 淳文(きくもり あつふみ)
鞄本総合研究所調査部社会経済政策研究センター客員研究員
東京大学法学部卒業、三井住友銀行(現)入行
米国シカゴ大学経営大学院にてMBAを取得
元京都大学大学院・信州大学、現長崎県立大学非常勤講師(政策形成論)
金融・投資理論及び実務、財政・地方行政、経営学・経営戦略、
経営事例研究・経営コンサルテイング、中小企業論、
情報化・インターネット利用のビジネスモデル
「学習する会社のナレッジコラボレーション」ほか著書・論文多数
経済産業省「21世紀社会経済システム研究会」座長他政府委員を歴任
長崎県・大村市・横浜市及び日本経団連中小企業委員会の各委員を歴任
中小企業庁長官賞、清水晶記念マーケテイング論文賞受賞
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